はじめに前編では、合格率のデータをもとに試験の難易度を分析しました。第一次検定は「準備すれば合格できる試験」、第二次検定は「経験記述が最大の関門」というのが正直なところでした。後編では、「では実際にどうやって勉強すればいいのか」に踏み込みます。必要な学習時間の目安から、第一次・第二次それぞれの効果的な勉強法まで、具体的にお伝えします。必要な学習時間の目安まず、合格までに必要な学習時間の目安を確認しましょう。区分第一次検定第二次検定合計目安1級200〜300時間150〜200時間350〜500時間2級150〜250時間100〜150時間250〜400時間1日2時間のペースで学習した場合、2級であれば約5〜7ヶ月、1級であれば約6〜8ヶ月が目安です。仕事をしながらの受験が一般的なため、試験日から逆算して早めに学習をスタートすることが大切です。「そんなに時間が取れない…」という方へ 学習時間はあくまで目安です。毎日コツコツ続けることが何より重要で、1日30分でも継続できれば着実に力がつきます。通勤時間・昼休み・寝る前のスキマ時間を活用するだけでも、積み重ねれば大きな差になります。主な学習方法の選び方勉強方法は大きく3つあります。自分のライフスタイルや予算に合わせて選びましょう。方法特徴費用の目安こんな人に向いている独学(参考書+過去問)低コストで自由なペース。第一次は対応しやすいが記述対策は難しい3,000〜10,000円自己管理が得意・費用を抑えたい方通信講座スマホ・PCで隙間時間に学習可能。添削指導が受けられる講座もある30,000〜100,000円仕事が忙しく通学が難しい方専門学校・講習会講師に直接質問可能。模擬試験・直前対策が充実50,000〜200,000円周りと一緒に学びたい・短期集中したい方どの方法を選ぶにしても、第二次検定の経験記述対策には「添削」を受けることを強くおすすめします。自分では気づけない文章の弱点を第三者に指摘してもらうことで、得点力が大きく向上します。第一次検定の効果的な勉強法基本は「過去問の反復」第一次検定で最も効果的な勉強法は、過去問を繰り返し解くことです。出題傾向は年度をまたいでも大きくは変わらないため、5〜10年分の過去問をしっかりやり込むことで、本番に対応できる力が身につきます。おすすめの進め方は以下のとおりです。まず1年分を通しで解いてみる:現時点での実力を把握し、得意・苦手を把握するテキストで苦手科目を重点的にインプット:全科目を均等にやるより、苦手を潰すほうが効率的過去問を繰り返す:同じ問題を何度も解き、正答率を上げていく直前期に模擬試験:本番と同じ時間・環境で解いて時間配分を確認する科目ごとの優先度出題数が多く配点の高い「土木一般」と「施工管理法」を最優先で対策しましょう。「専門土木」は選択問題が多いため、自分の現場経験に近い分野に絞って学習するのが効率的です。スマホアプリも活用しよう「施工管理技士 過去問」などのスマホアプリを活用すると、通勤中や休憩時間にも手軽に問題演習ができます。隙間時間の活用が合格への近道です。第二次検定の効果的な勉強法経験記述は「早めに・繰り返し・添削を受ける」経験記述の対策で最も大切なのは、早い段階から文章を書き始めることです。試験直前に慌てて書こうとしても、質の高い文章は仕上がりません。具体的な進め方は以下のとおりです。自分の工事経験を整理する:これまで携わった工事の中から、記述に使えそうな工事を選ぶ。工事名・場所・工期・請負金額・工事概要などをメモしておくテーマごとに文章を書く:「品質管理」「安全管理」「工程管理」の3テーマ分、それぞれ文章を書いてみる添削を受ける:上司・先輩・通信講座の添削サービスなどに見てもらい、フィードバックをもらう繰り返し修正・改善する:指摘をもとに文章を磨き、本番で使える「自分の型」を完成させる経験記述を書くときの3つのポイント具体的な数値を入れる:「コンクリートの水セメント比を55%以下に管理した」など、曖昧な表現より数値があるほうが説得力が増す課題→対策→結果の流れで書く:「〇〇という課題があった→〇〇という対策を実施した→その結果〇〇となった」という構成が基本一般論ではなく自分の経験を書く:教科書に書いてあるような内容ではなく、自分が実際に行ったことを具体的に書く施工管理・法規の記述問題は「型」を覚える経験記述以外の記述問題は、過去問の模範解答を参考に「書き方の型」を身につけることが効果的です。まったくゼロから文章を考えるのではなく、「この問題にはこういう構成で答える」というパターンを頭に入れておきましょう。学習計画のたて方最後に、学習計画を立てる際の考え方をお伝えします。① 試験日から逆算する試験日を起点に、「残り何ヶ月あるか」を確認します。第一次と第二次の両方を同じ年度で受ける場合は、第一次の対策を先行させながら、第二次の経験記述準備を早めに並行して進めるのがおすすめです。② 週単位で目標を決める「今週は土木一般の過去問を20問解く」「今週は経験記述の品質管理テーマを書き上げる」など、週単位で具体的な目標を設定すると継続しやすくなります。③ 完璧を求めすぎない学習を続けていると、どうしても「計画通りにいかない日」が出てきます。1日サボってしまっても自分を責めず、翌日から淡々と再開することが大切です。合格者の多くが「完璧な学習より、続けること」を成功の秘訣として挙げています。まとめ必要な学習時間は2級で250〜400時間、1級で350〜500時間が目安第一次検定は「過去問の反復」が最も効果的。スマホアプリも活用しよう第二次検定の経験記述は早めに準備を始め、必ず添削を受けること経験記述は「具体的数値・課題→対策→結果の流れ・自分の実体験」の3点を意識する学習計画は週単位で目標を設定し、完璧を求めすぎず継続することが合格への近道次回(第5章・前編)では、合格への最大の壁「経験記述」の書き方を、構成のつくり方から具体的なポイントまで徹底的に解説します!筆者紹介阿部隼弥:株式会社メインライン・エンジニアリング技術人材採用課の課長。社内では主に人材の採用や広報活動を行っている。多くの技術者と面談をしていくなかで、「より土木の知識を身に着け、深く候補者との関係性を構築したい」という思いから、土木未経験ながら一級土木施工管理技士補の取得を決意し、体系的に学習中。メインラインエンジニアリングは、高速道路の発注者支援業務の会社です資格取得は、あなたの未来を切り拓く大きな一歩となります。発注者支援業務の解説ページはこちら