はじめに前編では、試験のスケジュールと申し込みの流れをお伝えしました。「いつ・どうやって申し込むか」が分かったところで、後編では「試験本番では何が問われるのか」を詳しく解説します。試験形式・出題科目・合格基準・受験料をしっかり把握しておくことで、学習の方向性が定まり、無駄のない試験対策ができるようになります。ぜひ最後まで読んで、全体像をつかんでください。試験の形式と試験時間土木施工管理技士の試験は、第一次検定と第二次検定で形式がまったく異なります。区分試験形式試験時間1級・第一次検定択一式(マークシート)270分(4時間30分)1級・第二次検定記述式165分(2時間45分)2級・第一次検定択一式(マークシート)130分(2時間10分)2級・第二次検定記述式120分(2時間)第一次検定はマークシート方式のため、4つの選択肢から正解を選ぶ形式です。知識を正確にインプットして過去問を繰り返すことで、着実に得点力を高められます。一方、第二次検定は記述式です。答えを選ぶのではなく、自分の言葉で文章を書いて答えます。特に「経験記述」と呼ばれる問題は、実際の工事経験をもとに論文形式で記述するため、第一次検定とはまったく異なる準備が必要です。出題科目と内容第一次検定の出題科目第一次検定では、以下の科目から出題されます。科目主な出題内容土木一般土工・コンクリート工・基礎工の基礎知識専門土木河川・道路・橋梁・トンネル・上下水道・鉄道・港湾など分野別の知識法規労働基準法・労働安全衛生法・建設業法・道路法・河川法など共通工学測量・設計・材料・建設機械・積算など施工管理法(基礎知識)施工計画・工程管理・品質管理・安全管理の基礎施工管理法(応用能力)※1級のみ実務的な施工管理の応用・判断問題出題範囲は幅広いですが、多くの問題は「選択問題」です。すべての分野を完璧に仕上げる必要はなく、得意な分野・出題数の多い分野を優先して対策するのが効率的です。1級受験者への注意点 1級の第一次検定には「施工管理法(応用能力)」という科目があり、この科目だけで60%以上の正答が必要という個別の合格基準が設けられています。全体の得点が60%を超えていても、この科目の得点が足りなければ不合格になるため、特に重点的な対策が必要です。第二次検定の出題内容第二次検定は記述式で、主に以下の3つが出題されます。① 経験記述(最重要・高配点)自分が実際に携わった工事を題材に、施工管理の経験を論文形式で記述する問題です。出題テーマは「品質管理」「安全管理」「工程管理」「環境保全」などから選ばれます。記述の基本構成は以下のとおりです。工事の概要(工事名・場所・工期・工事内容など)現場で発生した課題・問題点その課題に対して実施した具体的な対策・処置結果と評価経験記述は配点が高く、ここで得点できるかどうかが合否を大きく左右します。「実際の経験を具体的な数値や工法名を交えて、論理的に書く」ことが求められるため、試験直前ではなく早い段階から文章の準備を始めることが重要です。② 施工管理の記述問題工程管理・品質管理・安全管理に関する具体的な対策や手順を記述する問題です。過去問の模範解答を参考に「書き方の型」を身につけておくと対応しやすくなります。③ 法規の記述・穴埋め問題建設業法・労働安全衛生法などの関連法規に関する問題です。頻出の条文を繰り返し読んで記憶することが効果的です。合格基準試験の合格基準は以下のとおりです。区分合格基準1級・第一次検定全体の得点60%以上、かつ施工管理法(応用能力)60%以上1級・第二次検定得点60%以上2級・第一次検定得点60%以上2級・第二次検定得点60%以上基本的にはどの区分も「得点60%以上」が合格ラインです。100点満点を目指す必要はなく、苦手な分野があっても得意な分野でカバーできる構造になっています。ただし1級第一次検定の「施工管理法(応用能力)」は個別に60%以上が求められる点を忘れずに。受験料区分受験料(目安)1級・第一次検定のみ約11,000円1級・第二次検定のみ約11,000円2級・第一次検定のみ約6,000円2級・第二次検定のみ約6,000円2級・第一次+第二次(同時申込)約11,000円受験料は年度によって変更される場合があります。最新の金額は必ず全国建設研修センターの公式サイトでご確認ください。また、テキストや過去問集の購入費用(3,000〜10,000円程度)、通信講座を利用する場合はその受講料も別途かかります。会社によっては資格取得支援制度として受験料や講座費用を負担してくれるケースもあるので、勤務先に確認してみましょう。まとめ第一次検定はマークシート方式、第二次検定は記述式でまったく異なる対策が必要第一次検定の出題科目は「土木一般・専門土木・法規・共通工学・施工管理法」の5科目1級第一次検定は「施工管理法(応用能力)」で個別に60%以上が必要な点に注意第二次検定の「経験記述」は最重要・高配点。早い段階から準備を始めることが合格のカギ合格基準は基本的にどの区分も得点60%以上受験料は1級約11,000円・2級約6,000円(同時申込で約11,000円)が目安次回(第4章・前編)では、合格率のデータをもとに試験の難易度を詳しく分析します。「どのくらい難しいのか」をしっかり把握して、現実的な学習計画を立てましょう!筆者紹介阿部隼弥:株式会社メインライン・エンジニアリング技術人材採用課の課長。社内では主に人材の採用や広報活動を行っている。多くの技術者と面談をしていくなかで、「より土木の知識を身に着け、深く候補者との関係性を構築したい」という思いから、土木未経験ながら一級土木施工管理技士補の取得を決意し、体系的に学習中。メインラインエンジニアリングは、高速道路の発注者支援業務の会社です資格取得は、あなたの未来を切り拓く大きな一歩となります。発注者支援業務の解説ページはこちら